不動産売却を成功させるノウハウNo.29
2021年05月09日
売却戦略
今回は、実際にあった事例を基に自宅売却戦略のご説明をしたいと思います。
① Aさんの場合
Aさんは、新築戸建の購入契約をしていました。
しかし、住宅ローンの条件として今お住まいの自宅を、新しい自宅の引き渡しまでに売却しなければいけません。
期限は4ヶ月しかありません。
売り急いではいましたが、できるだけいい条件で売却したいということでした。
査定をしたところ、Aさんの3つの価格は以下の通りでした。
売ることができる価格= 2400万円
売れる価格= 2600万円
売りたい価格= 3000万円
さすがに私は3000万円の売り出し価格は厳しいと思いましたが、Aさんの強い希望もありましたので、次の通り戦略を立てました。
1ヵ月目…値引き交渉も想定し、3080万円で売却開始
2ヶ月目前半…2790万円に下げる
3ヶ月目前半…2680万円に下げる
3ヶ月目後半…2480万円に下げる
こういう戦略を立てました。
そして売り出した結果、2790万円のときに成約となりました。
結果的には過去の成約事例と比べ好条件での売却となり成功しました。
② Nさんの場合
Nさんは特に売り急いでいることもなく、時間がかかってもいいので高く売りたいということでした。
ただし古い物件だったので、査定は厳しい数字をつけました。
売ることができる価格= 1400万円
売れる価格= 1500万円
売りたい価格= 1800万円
Nさんの本音としては、査定で算出した1500万円で売れれば大満足ということでした。
しかし急いでいないので、できるだけ高く売りたいというご希望を尊重した戦略を立てました。
1~2ヶ月目… 1890万円で売却開始
3ヶ月目…1790万円に下げる
5ヶ月目… 1680万円に下げる
6ヶ月目… 1580万円に下げる
また、1400万円台まで下げるのであれば、「売ることをやめる」ということにしました。
結果は売却開始1週間で出ました。
買主さんが現れたのです。
1890万円の売却価格に対し、かなり厳しい1500万円という購入申込書でした。
通常の住宅の場合、ここまで価格に開きのある購入申込書を受け取ることはありません。
しかし私は、この購入申込書を持ってNさんと相談しました。
もともと戦略をちゃんと立てていたNさんにしてみれば1500万円が売却の目標額でした。
その結果、交渉の末、1680万円で売却することができたのです。
Nさんにとっては1割以上高い好条件での売却となりました。
なお、後日Nさんが教えてくれた話があります。
この物件、実は私以外に数社の不動産会社に査定を依頼していたそうです。
しかし他社の査定の最高額は1470万円でした。
過去の事例に固執し、売れる値段だけを考えた査定をしたのでしょう。
戦略的に売ることはそれだけ大事なのです。
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本日は以上となります。
次回も引き続き、 賢く・高く、不動産売却をしていただく為の、ノウハウ をお届けいたします。
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